2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧
10時から18時30分まで禁煙に。熱中症予防ともいえるけど……。
奥付から「文藝春秋 昭和55年9月30日第1刷発行 著者 野呂邦暢(著作権継承者 納所長雄)」。解題から「文學界昭和53年2月号より昭和55年4月号まで連載(うち昭和54年10月号は休載)」。最後から二番目の小説。何が面白いって、これまでの野呂ワールドの住人…
集英社文庫昭和54年7月14日第1刷発行。カバー表2に、あらすじが書いてある。 「おまえがなんといって止めても、俺の布由子に対する気持は変わらない」孝志はそういい残して親友の和太留と分かれた。だが布由子は自殺未遂を起こした。なぜ布由子が死のうとし…
やっと読み終わった。『諫早菖蒲日記』は野呂邦暢の最高傑作ではないだろうか。舞台を幕末にしたこと、ぶつぎりのエピソード集にしてそれぞれの文体の完成度を高めたことで「未来の読者」に向かって語りかけることに成功している。3年後に急死するなど予想も…
私は高橋たか子の結構熱心な読者だ。虚無的で悪魔的でエロチックな(「怒りの子」までの)初期作品群は特に好きである。「怒りの子」までを初期作品としているのは私だけで、研究者はもっと細かく分類しているのかもしれないが。そして、それらが初期作品群…
『諫早菖蒲日記』(野呂邦暢)は読了まで時間がかかりそうだ。まずは、第1章を読了。帯にはこうある。 幕末――九州諫早藩の砲術指南の十五歳になる少女のみずみずしい青春の感性を透明な文体で描く純文学長篇! ストーリーといえるものはなく、15歳の志津の目…
集英社から1978年12月10日初版発行。この短編集の特徴は本の帯にあるとおりだった。 けだるさの支配する男と女の時間にくっきりと形どられる透明な悲哀! 生きていることの後ろめたさ。生活が、ザルに水を汲む作業のようにさえ思えてくる毎日――妻の愚痴が、…
出版社は角川書店。昭和54年7月25日初版発行。「野生時代」の1978年7月号から12月号に掲載したものをまとめた連作短編集だ。みすず書房から4年前に再刊されている。 アマゾンの解説にはこうある。 古本屋の若き主人、佐古啓介が、謎めいた恋や絡みあう人間模…
1979年9月10日第1刷。集英社発行。1976年〜1978年の間、西日本新聞を中心に掲載された60本ほどのエッセイを集めた本。古代史マニアだったことを知る。山王書房のことは「S書房主人」というエッセイに書かれている。入手する前にあちこちの古本屋で手にとって…
集英社、1977年12月10日初版発行。帯にはこうある。「そうか、おまえも淋しいのか」収録作品は4点。初出が書かれていないのが残念である。 ふたりの女 伏す男 回廊の夜 とらわれの冬 「ふたりの女」は「女の話」。「伏す男」と「回廊の夜」は「病院の話」。…
入手したのは、文藝春秋発行の単行本で、昭和51年4月10日第1刷。収録作品の初出は以下のとおり。 「恋人」風景 昭和49年3月号 「隣人」オール讀物 昭和50年1月号 「八月」文学界 昭和48年10月号 「高く跳べ、パック」 文學界 昭和50年8月号 「鳩の首」 別冊…
不思議なことに付箋を貼ったらすいすい読めた。一部を転記する。まずは、列車でいっしょになった客は覚えているものだ、というエッセイ。 歩廊の眺め(西日本新聞、1976年6月22日) 私が探しているのは彼らではない。やはり居た。見送り人からやや離れた位置…
高尾、西八王子、八王子、豊田、立川、国立と中央線の古本屋をまわった。そのうちの1軒で、野呂邦暢の『水瓶座の少女』(集英社文庫、コバルトシリーズ、昭和54年7月14日第1刷)を入手したが、多和田葉子はなかった。 - 下記ブログを手がかりに東横線沿線も…
『文字移植』、『旅をする裸の眼』、『玉突き書簡』を入手。 三人関係 講談社 1992 犬婿入り 講談社 1993 のち文庫 →入手済 アルファベットの傷口 河出書房新社 1993 「文字移植」と改題して文庫 →入手済 聖女伝説 太田出版 1996 ゴットハルト鉄道 講談社 19…