淳之介の背中 吉行文枝

有限会社港の人 2004/6/16 初版第1刷発行
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発売:新宿書房
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淳之介というのは、吉行淳之介のことです。吉行文枝さんは、奥さん。吉行との出会いから、彼が宮城まり子とくっついて、家を出るまでの期間の、(おそらく)いい思い出だけを書いたものです。

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さて、子どもを産むと女は変わるという。変わったのは本当に女=妻なのか。それとも男=夫なのか。

女は子どもを産んだ瞬間に、妻から母に、突然変わることができても、男は夫から父に、急には変われない。

特に、吉行エイスケは、父親らしくなかったからなあ。欲を言えば、いっしょに母と父になってほしいのだが、男のほうが夫のままだから、すれ違いが起きたんじゃないのか。

逆の場合もあるだろう。夫が父親になったのに、妻がずっと妻のままで母親になれない、なんていうことも。

二人だけの生活が長いと、子どもができたとたんに、こんなはずじゃなかった、となるのでは。今は、ハネムーンベイビーって多いのかな。できちゃった婚のほうが多いのかな。

吉行と一緒だった頃の文枝さんの話は貴重だが、吉行と別居してから、文枝さんがどのように生きてきたのか、興味あり。