『きつね月』(多和田葉子)は濃縮チョコレートのような短編集

新書館 1998年2月25日 初版第一刷

多和田葉子の『きつね月』は、18の短編を収録。「ねつきみ」のみ書き下ろしで、そのほかは『大航海』連載(1994年12月〜1997年10月)に連載されたものだ。大半は、一粒食べると胃がもたれる濃縮されたチョコレートのようで、普段は速読気味の私でも1日1篇しか読めなかった。さらに、いくつかの短編は、壊れてしまった翻訳機か遊びすぎた自動筆記のようで、頭痛がした。

ところで、多和田のドイツ語版書籍”Talisman”を洋書屋で見かけた。ページをめくっていたら「辞書の村」が日本語で収録されていた。

http://www.amazon.co.jp/dp/4403210635

次は『飛魂』だ。