野呂邦暢の『夕暮の緑の光』未収録の『小さな町にて』

『小さな町にて』(野呂邦暢)を読んだ。奥付には「文藝春秋 昭和57年5月10日第1刷 著者 野呂邦暢著作権継承者 納所アキノ)とある。昭和55年9月に発行された『丘の火』の著作権継承者は納所長雄だった。

フィリップの『小さな町にて』にインスパイアされたのでそのままタイトルを使ったという『小さな町にて』は二部構成になっている。一部は1978年5月29日号から1979年10月15日号の「週刊読書人」に連載された短いエッセイを集めたもの。二部は伊藤静雄論の「詩人の故郷」。この二部は、「文芸展望」の第20号(1978年冬号)から22号(1979年夏号)、そして文学界1973年5月号に掲載された評論である。

ここでは、オリジナルの『小さな町にて』に収録されているエッセイと、文藝春秋から1995年5月7日に発行された『野呂邦暢作品集』ならびに2010年4月にみすず書房から発行された『夕暮の緑の光』(野呂邦暢随筆選 《大人の本棚》)に収録されているエッセイの差分を記載する。


小さな町にて 野呂邦暢作品集 夕暮の緑の光
H書店のこと
叔父 × ×
功徳 × ×
馬の絵
大佐の息子
小林秀雄
フィリップ
風速 × ×
紙と鉛筆 ×
蔵書票 × ×
プライヴェト・ペイパー × ×
花曜日
数学教師 × ×
課外授業 × ×
大きな手 × ×
夜の海で ×
学校図書館 × ×
ルソーの本 × ×
奇蹟 ×
ヒロイン(1) × ×
ヒロイン(2) × ×
むらぎも ×
相客 ×
魔の山 × ×
郷土史 × ×
無常といふ事 ×
京都
クラナッハの画集 ×
ブリューゲル ×
足摺岬 × ×
衝立の向う側
新京極 ×
アドルフ
石工とレコード ×
LIRIKA POEMARO
澄んだ日
阿蘭陀組曲 × ×
名曲喫「らんぶる」 × ×
切手 × ×
赤鉛筆 × ×
革命か反抗か × ×
山王書房店主
イタリア絵画史 ×
カフカとの対話 × ×
ボルヘス「不死の人」
破壊的要素 ×
冬の一夜 ×
灰とダイヤモンド × ×
心は寂しい狩人 × ×
田舎司祭の日記
茶店の片すみで × ×
エミリーの薔薇 ×
シルクスクリーン ×
異邦人 × ×
タイピスト × ×
ユンクとブラウン × ×
神戸・鳥料理 × ×
The Family of Man
ODE MARITIME
シチリア舞曲 ×
伊藤静雄諫早 ×
伊藤静雄の周辺 × ×
伊藤静雄の故郷 × ×
詩人の故郷 × ×


「LIRIKA POEMARO」「心は寂しい狩人」の2つは、大学の図書館で取っていた「週刊読書人」で読んだことを思い出した。