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小谷野敦の『日本売春史』(新潮選書)は、冒頭から既存アカデミズムに対する攻撃的なトーンの文章であふれている。というのは参照される発言者・執筆者の役職が書かれているから(書籍名と筆者だけで済むはずだ)。
なんとなく嫌な感じで読み終えようとしたら最後の208ページにこう書かれていた。
古代から現代に至るまでの、一貫した日本売春史を記述することによって、そうした論者たちを追い詰めることが、私の目論見だった。
「そうした論者たち」というのは、現代の娼婦について語ろうとしない偽善者たちのことである。
しかし偽善は私自身にもあった。私が一時期売買春否定論者だったのも、フェミニストや女たちの支持を当てにしてのことでしかなかったからだ。(205ページ)
まず、立ち読みする価値はありかな。