偶然の音楽

なんとかして本を読まなくちゃいけないと、焦り出して数週間。本屋に行って、棚から新刊書を抜き取り、平積みから選び、パラパラとページをめくってはみるものの、買う気になれないのがずっと続いてた。今日も、古本屋で100円の『砂の上の植物群』を買おうか迷った。河さんが掲示板に書いていたから、思い出したのだ。が、結局、古本屋でない本屋で普通の本を買った。普通の本というのは、新刊ではない本ということ。昔読んだ本だと思う。家にもあるはずだが、内容をよく覚えてない。けれども、一度読んだ本なら簡単に読めるはずだ。

ポール・オースターの本は「あの時の決断如何では自分も主人公のような人生を歩んでいただろう」と思わせるものが多い。人生を歩むというか、末路を迎えるというか。そして、映像が目に浮かぶような描写を得意とする。『偶然の音楽』もそんな一冊だ。女で失敗する。その失敗に気がつくのが早い男もいれば、遅い男もいる。……ここまで書いて疲れてしまった。いつか続きを書くかもしれない。