2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の母 春陽堂 昭和18年4月18日発行/同年10月20日再版(15000部)

読売新聞と日本文学報国会のタイアップ企画本『日本の母』。日本文学報国会は「国家の要請するところに従って、国策の周知徹底、宣伝普及に挺身し、以て国策の施行実践に協力する」ことを目的とした社団法人(Wikipedia)。日本各地の読売新聞関係者が選んだ…

二反長半著『青桐の床屋と燕』(崙書房、1970)

川端康成が帯文を書いていて判型が変わっている(B5)『青桐の床屋と燕』。著者の二反長半(1907〜1977)は「にたんおさ・なかば」と読む。本名は二反長半二郎で「にたんちょうはんじろう」。初めて見る名前だったが、Wikipediaを見ると、児童文学者として多…

福永武彦著『告別』(講談社、1962)

単行本の『告別』は、「告別」(初出は「群像」1962年1月号)と「形見分け」(同1961年3月号)の二編を収録し、1962年4月に発行された。菅野昭正による解説付の講談社文庫版はその11年後、1973年4月に発行されている。単行本は正字・歴史的仮名遣いで、文庫…

澤田繁晴著『炎舞 文学・美術散策』(龍書房、2013)

龍書房というのは室生犀星の最晩年の弟子である葉山修平の本を沢山出版している本屋で、葉山が室生犀星学会の会長を務めている関係か、犀星学会員の著書をよく見かける。『炎舞 文学・美術散策』の著者の名前も初めて見たが、川端康成学会、室生犀星学会、芸…

清家雪子『月に吠えらんねえ』(アフタヌーンKC、2013〜)

Twitter上で評判を知り、清家雪子(せいけゆきこ)『月に吠えらんねえ』(アフタヌーンKC)を読んでみた。萩原朔太郎を中心とする近代詩人たちの作家論をコミック形式で展開しているものと受け止めた。アマゾンレビューで高評価を付けている人たちとは違って…

放送随筆―お休みの前に(NHK編、1953)

1951〜1952年までの2年間、NHKラジオ放送用に執筆された随筆500編の中から105編を選んだのが『放送随筆』。105編は、安藤鶴夫、向井潤吉、式場隆三郎、河竹繁俊、平山蘆江、小絲源太郎、大町文衛、田辺尚雄、福田清人、石川欣一、中村白葉、木村荘八、内田亨…

散歩:反町公園

山本健吉著『十二の肖像画』(講談社、昭和38)

山本健吉(1907〜1988)が、慶応大学在籍時に原民喜らと同人誌を作っていたということを最近になって知った。山本の名前を知った頃は、俳句・短歌関係の著書ばかり目にしていた。したがって、そっち方面の評論家かと思い込んでいて、気にも止めなかったが、…