2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

多和田葉子の『文字移植』は面白かった!

カナリア島はアフリカの北西にあって常夏の楽園らしい。翻訳を生業としている、中年というにはまだ少し若い女主人公がその島に数日間滞在し、締め切りの迫った翻訳作業をする。翻訳は「創作する」というのと少し異なるが、それでも仕事中はプチ錯乱状態にな…

多和田葉子の『犬婿入り』を読み終わった

10年ぶりの再読だが、今回のほうが楽しめた。読み方が変わったのだろう。 ペルソナ 「群像」 1992年6月号 犬婿入り 「群像」 1992年12月号 「ペルソナ」に、上手いと思った表現がいくつかあったので2つほど抜き出してみる。 中国がそんなにのんびりとしたと…

閉店した高崎の古書店、赤坂堂書店に行ってみた

湘南新宿ラインを使えば、新宿から高崎まで2時間弱と聞き、asahi.comに閉店記事が掲載されていた古本屋、赤坂堂に行ってみた。高崎で降りたのは初めてなので、いつもどれくらい賑やかなのかは不明である。iPhoneのカメラで撮影したため、色が変だが、まぁ晴…

多和田葉子の『三人関係』を読み終わった

『三人関係』の奥付は、1992年3月12日第一刷 講談社。収録作品は、 かかとをなくして「群像」1991年6月号 三人関係「群像」1991年12月号 の2つで、「かかとをなくして」は1991年の第34回群像新人文学賞を受賞している。当時の審査員は、柄谷行人、田久保英夫…

多和田葉子を読み始めた

夜になると涼しい風を感じる。明日は雨か。まずは『三人関係』(講談社、1992年3月12日発行)

野呂邦暢の伊佐高ワールド

『文彦のたたかい』は架空の高校、県立伊佐高校を舞台にしている短編集だ。ただし、「文彦のたたかい」と「うらぎり」以外は「伊佐高校」の名称は出てこない(『水瓶座の少女』は北高が舞台だった)。基本は片思いの男女高校生たちの話だが、大人にも存在感…

『文彦のたたかい』(野呂邦暢)を読み終えた

昭和53年2月20日集英社発行滝本竜彦の『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』のような学園戦闘モノを妄想していたら……。 転校生の美少女麻生明子。その麻生をぼくら美術部のモデルにたのんだまではよかったがある日親友の寺田がぼくに告白した。この一…