2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

前の所有者

最近、読みはじめたブログ「古本万歩計」さんが、ブックオフで古山高麗雄を入手したことについて以下のように記していた。 どういう経緯でこの本がブックオフの棚に収まることになったのか、前の所有者はどのようにしてそれを手に入れたのか、などと考えるの…

『王国そして地図』(野呂邦暢)を読み始めた

古本屋で「野呂邦暢はあるか?」と尋ねると、在庫の有無を問わず、店主が年配の男性の場合はほとんどがファンであったと明言する。そして「あの人の随筆はよかった。今はもう、あのくらい書ける人はいない」という。ということで読み始めた『王国そして地図…

8月の暑い日に欅の下のベンチに座って多和田葉子を読もうと思った

『犬婿入り』(講談社文庫)を中野新橋の古本屋、猫額洞で購入した。そして、「8月は多和田葉子にしようか……」と思いついた。 いずれ、野呂邦暢は読み終わる。だから、8月の暑い日には、飲み物を携えて公園に行き、欅の下のベンチに座って、多和田葉子を読も…

野呂邦暢の「砦の冬」(『草のつるぎ』所収)を読み終えた

時代的には『RAINBOW-二舎六房の七人-』とほぼ同時期。昭和30年代の二十歳前後の若い男たちばかりが出てくる。自衛隊の訓練話が中心だから、とにかく体を動かす。冬山に兎狩に出かけ道に迷った(というか遭難した)海東二士がみる夢は、そこだけ切り出すとた…

『草のつるぎ』の第2部「砦の冬」(野呂邦暢)を読んでいるが……

昨日は電車の中でしか本を読めなかったので、文庫版を携帯した。講談社文芸文庫の野呂邦暢はこれ1冊のみ(2002年7月10日発行)。表紙に作品集とあるように、「狙撃手」「白桃」「日が沈むのを」「草のつるぎ」「一滴の夏」が収録されている。文芸春秋の文庫…

『草のつるぎ』(野呂邦暢)を読み始めた

「自衛隊員」を主人公にした小説を読んだのは初めてだ(映画やアニメではよくある)。本書は昭和48年(1973年)下半期の第70回芥川賞を受賞している。同時受賞は森敦の『月山』。滝井孝作は、野呂の作品をこう評している。 野呂邦暢氏は、前回に「鳥たちの河…

『鳥たちの河口』(野呂邦暢)を読んだ

入手したのは1刷ではなく2刷。帯を見ると「草のつるぎ」で芥川賞を受賞した後のようだ。奥付には以下のように印刷されている。 文藝春秋 昭和48年9月30日第1刷 昭和49年5月10日第2刷 1973年、74年というと私は洋楽ロックに夢中だった。74年は、たしか、エリ…

西荻窪のbeco cafeに行ってみた

http://bookendless.blog81.fc2.com/自分が買った本にカバーがかけられていても、全く気にしない。本棚に並んでいても気にしない。誰それが書いた何々という本がそこにある、と記憶のどこかに残っているからだろう。そもそも、カバーしてくださいと頼んだの…

『海辺の広い庭』(野呂邦暢)を読んだ

『海辺の広い庭』野呂邦暢 昭和48年3月10日(1973年)文藝春秋発行 http://amzn.to/bqgTs0本書に収められているのは、「海辺の広い庭」「不意の客」「歩哨」「狙撃手」「或る男の故郷」の5編。付箋を貼ったのは一箇所のみだった。 職業安定所のベンチで呼び…

『十一月 水晶』(野呂邦暢)の付箋から

『十一月 水晶』野呂邦暢 昭和48年2月28日(1973年)冬樹社発行 http://amzn.to/dkE6Mj本書には、「十一月」、「水晶」、「日常」、「朝の光は……」、「白桃」、「日が沈むのを」、「壁の絵」の7つの短編小説が収録されている。野呂にとっては処女作品集だっ…

野呂邦暢の『十一月 水晶』を読んだ

1973年、冬樹社発行。感想を書くため、(心ではなく)頭に響く文章があったページに付箋を貼ってみた。近々に、メモがわりにアップする予定。ページは忘れないだろうが、どの文章か、覚えていられるか少々不安である。 箱がパラフィン紙で巻かれているのでシ…

古本の書き込み

詩人の早坂類が古本市で懐かしい本を抜き出してみたら、全ての本に同一人物らしき筆跡の漢詩が書かれていたという。 古本市同一人物 http://d.hatena.ne.jp/hayasaka_rui/20100608 書き込みのある古本は「痕跡本」というらしい。 落書きから本の持ち主を想像…

野呂邦暢を読み始める

まったくの不勉強で、山口瞳や吉行淳之介の文庫本の解説を書いていた人、くらいの印象しかなかったのだが、最近、再評価の兆しだとか。 諫早で野呂邦暢しのぶ菖蒲忌 30回目、ファンら200人が思いはせ http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20100531/08.shtml 1…